井上薫判事が横浜地裁浅生重機所長の罷免を求め, 裁判官訴追委員会に訴追請求したそうだ。
「今月二十五日付の訴追請求状で井上判事は『判決理由の長さを非難し、人事権と指名権を武器に改善を迫った浅生所長の行為は、 裁判官の独立を侵害する裁判干渉で違憲かつ違法だ』と主張している」そうな。(東京新聞より引用)
憲法76条3項
すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、
この憲法及び法律にのみ拘束される。
裁判官が裁判官を訴求することは極めて異例だろう。さすが井上判事というか,なんというか…。町村先生がおっしゃるように 「破天荒」な行動と評するのが適当かも。
「天荒」とは,天地未開の時,混沌である様子を指し,それを破ることから「破天荒」という言葉ができた。 今まで誰もしなかったことをすることをさす。裁判所も内部組織的にはカオスがだいぶ広がっていそうなので, もってこいといえばもってこいの言葉である。
今回のように自分の身体(進退?)がかかっている場合には,どのような手段にうってでても… というのは通常人の考え方に乖離するものではないし,ましてや合法的な行為である以上, 今回の井上判事の行動は不当に低い評価を受けるようなものではあってはならないように思います。権利は行使してこそ意味があるのですし…。
ところで,私が破天荒と思われる考え方が実はかなり前に判例で否定されていたことを最近になって知りました。
井上判事は自身の名誉毀損事件の控訴審で逆転勝訴しているようですが…。下級審で敗訴し,
上級審で勝訴した場合,実質的に下級審の判断は誤りであった(ないしは瑕疵が存在していた)のだから,
それによって生じた損害を裁判官は賠償する責任を負わなければならないのではないか,
というのが私の考えであった。
流石に同じような考えを持っていた人がいたようで。(
最判昭和57.3.12)
要旨:
裁判官がした争訟の裁判につき国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があつたものとして国の損害賠償責任が肯定されるためには、
右裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によつて是正されるべき瑕疵が存在するだけでは足りず、
当該裁判官が違法又は不当な目的をもつて裁判をしたなど、
裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする。
本文とは全く関係がないのであるが,カオスで思い出した。ビックリマンチョコが復活している☆あな,なつかし。初代は1985年に登場したそうで, 今年で20周年だそうだ。
ちなみに私ももうすぐ20周年である。




